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探検的源流釣行 -Part 2-

今週の定休日初日に出かけた、うちの案内人との探検的源流釣行。あまりに長文になりそうだったので、前後に分けての更新。
今回は後半部を更新してまいります。

前半はこちらから

険しい区間を越えて、美しい森の区間へ

案内人と出かけた源流部は、スタートから軽い登攀的登山を小一時間して入渓。入渓からしばらくは険しい区間が続く為、四つん這い行動が多くポツポツと綺麗な山女魚を釣りながら遡行しますが、いよいよ険しい区間も終盤。

デカい滝を高巻きして、いよいよなだらかで美しい源流部へと入りますが、最後の最後まで泥まみれ。
「探検的だ」なんて案内人と笑いながら、いよいよ険しいエリアも終わりへ。

最後の高巻きを終えて...

最後の高巻きを終えて…

地形図上では水が流れる場所を示す青い線も消え、等高線もなだらかな区間に到着。
ようやくホッとしながら、美しい森と美しい水の流れる区間で休憩しながら風景を満喫します。

休憩中の一コマ

休憩中の一コマ

移り変わる風景に訪れる度に感動するのですが、初めてここを訪れる案内人も感動。
「釣りをしてなければ、もっと時間をかけて楽しむのになぁ」と、僕から見れば意味不明の言葉を発します笑

釣りをしている方が時間がかかる認識の僕。釣りをしなければもっと時間をかけて風景を楽しもうという案内人。この認識の差が少々おかしかったり…

前半部の険しい区間では「ゴォォ」と迫力ある音の中を緊張しながら遡行する訳ですが、後半部は小川のせせらぎを聞きながら、快適な遡行。本当に素晴らしい風景です。

テンカラ指導

さて、ここに来て僕が密かに今回のミッションとしていたことがありまして、それは案内人に釣りの楽しさを覚えてもらうこと。
その理由は当然ながら、自然の中での遊びの一つとしての釣りというのもありますし、美しい山女魚自体の魅力というのもありますが、何より”案内人が釣りにハマれば険しい箇所を行く時に先導してもらえるという“、僕の企みです…笑

山奥の誰もいない場所で、テンカラロッドと仕掛けを準備して、あとは覚えてもらうのみ。

釣りにハマり中の案内人

釣りにハマり中の案内人

上の写真は真剣に山女魚と対峙する案内人ですが、初めてのテンカラ釣りがこのロケーションだなんて贅沢です…これでハマらない方がおかしい。
“遡行技術の高い案内人だからこその至福の時間”なんて思っていましたら良型をキャッチ。

写真撮る前にリリースしてしまいましたが、7-8寸ほどの良型。
「可愛いなぁ、元気に育てよー」なんて言いながら見送る様は渓流釣りにハマる素質十分…笑

何なら道具買い与えてでもハマもらって「険しい谷の先導してください」なんて、マジで思っている店主です。

難儀難儀の先に

なだらかな清流を楽しみながら、のんびり釣りなんて思っていましたが、至る所で崩落しており遡行も意外に難儀…

難儀する遡行

難儀する遡行

定期的にこんな難儀な場所を上手く進まねばならず、踏み抜いたら危ないなというのもあるのですが、何より面倒です。
が、それもまた自然。

そんな合間から美しい山女魚が出てくるので、二人とも改めて感動する時間です。

美しい山女魚

美しい山女魚

この場所を訪れる度に同じことを言ってますが「よくこんな場所で生き延びてるなぁ」と、そんなことを今年は案内人と言いながら山女魚を眺めて、川へ帰します。
難儀、感動を繰り返しながら案内人との遡行も終盤。
林道がついている訳でもなく、せっかくだから谷を詰めて帰ろうと谷を詰めて脱渓。

と思えば、詰める谷もまた崩落で進むのに難儀!

最後まで苦労させてくれます

最後まで苦労させてくれます

良くも悪くも年々変化する自然の形に感動する訳でございます。

脱渓後もまた難儀

谷を最後まで詰めて、林道が存在する場所までは地図を見ながら進みます。

もう川とは呼べない水の流れで最後のクールダウン

もう川とは呼べない水の流れで最後のクールダウン

川と呼べる水量はなくなり、ただのよじ登り。
傾斜をひたすらによじ登って、源頭部へ。

源頭部

源頭部

川の始まりでもある源頭部を過ぎ、スタート地点まで戻る訳でございますが、ここからがまた難儀。
ここは想定していたことなので”想定内”の範囲ではありますが、永遠と崩落で崩れた急斜面をずり落ちないように横切って進むことに。

ほとんど携帯も出せる余裕のない傾斜なので、ソソクサと危険箇所を抜けて落ち着いた場所で1枚記念にパシャリ。

ここからの道のりもまだまだ長い

ここからの道のりもまだまだ長い

お互いに確保などをする必要性もなく安心しつつ、お互いが怪我だけはしないように地図を見ながら下山ルートを確認し進みます。
ここを歩く度に思い出すのですが「次回はアプローチシューズでも持ってこよう」と、何度目か分からない思いが頭をよぎりながら、地図・時計を見ながら明るいうちに下山をと黙々と安全地帯まで歩きます。

大感動からの再び難儀

崩落箇所が続くエリアを終えて、ようやく安全地帯。
「疲れたなぁぁぁ」なんて言いながら、渓谷の絶景を振り返り賑わいながら歩き、まだまだ目的の尾根に辿り着かないため、時折下を向いて黙々と歩き続けておりましたが、そんな時に突然感動は現れるものです。

足元に注意しながら下を向いて歩いていましたら、小さな落石が二つ。
こういう時は大抵、上部に動物が歩いていることがあるので、大きな落石が発生しないように見上げると…

ニホンカモシカ

ニホンカモシカ

15年近く出会うことの出来なかったニホンカモシカが目の前に…!

僕も案内人も出会うことを夢見ていた動物で、突然の出会いにお互いが、絶滅したニホンオオカミに遭遇してしまったと勘違いしてしまうという恥ずかしい状況でしたが、驚かさないように静かにスマホを取り出し一枚。一眼レフを用意しようとしたら逃げてしまいましたが、幸運にもスマホでは撮影ができました。

一時期はこれに出会いたいがためだけに、重い撮影機材を担いで険しい山に出かけたりしたニホンカモシカ。残念ながら九州では、ほぼ絶滅すると言われている種で、僕も案内人も出会うことを半ば諦めていた動物。
言葉では言い表せない感動に、案内人と二人して身体中に鳥肌を立て、あまりの神々しさに疲れが吹っ飛んだのであります。

感動話を書くとキリがないので、この辺にしておいて…
「こんな動物に遭遇するなんて、この後が恐ろしいなぁ」なんて言いながら、今回の絶景・美しい山女魚・そしてニホンカモシカとの出会いに盛り上がりながら目的の尾根に到着し下山を開始。

「この後が恐ろしいなぁ」なんて言っていたためか、尾根に取り付いてピークから下山しようと思った矢先に雷雨…
快晴の天気予報の日に、男二人が雷雨に遭遇して下山するのでありましたが、今日一日の感動で雷雨すら涼しいものでありました。

とりあえず無事に下山。久々に訪れた深山幽谷という言葉の似合う谷。本当に素晴らしい時間でございまして、案内人と美しい自然に感謝しつつ、またお客様と一緒にたくさんの感動を味わっていきたいなと思う良き1日でありました。

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Shogo Nakano

Shogo Nakano

PORTAL 店主

宮崎県のアウトドア屋「PORTAL」の店主です。 山歩き、渓流釣りをはじめ、のんびり色々な自然の楽しみ方を満喫しながら、色々な方と一緒に遊べるのを楽しみにしています。

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コメント

  1. Erika
    • Erika
    • 2022.08.19

    ドキドキワクワクする探検にニホンカモシカと出会った貴重なお話をありがとうございます!!神々しい佇まいを写真にも収められるとは凄いです!!
    川の始まりまで突き進むとは探検家ですね!川の始まりも初めて見させていただきました!
    美しい景色と隣り合わせにある危険や怖さ、色んな表情のある自然のことを教えて下さってありがとうございます^ ^

    • Erikaさん、コメントありがとうございます。
      まったく想定していなかった出来事に、案内人と二人大興奮でございましたが、同時に生態を脅かすことなく穏やかに暮らして欲しいなと、そんな気持ちに駆られました。
      安全に楽しみながら、みんなで様々な発見や気づきが得られるといいですね。

    • kaku
    • 2022.08.19

    ニホンカモシカに遭遇なんてwww

    オメデトウ

    エクセレントwww

    • kakuさん、いつもありがとうございます♪
      ほんと、まさかニホンカモシカに遭遇だなんて、予想していなかっただけに大興奮でした。
      兄貴のように、尺は釣りきれませんでしたが…汗

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