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TROUT FISHING

瓢箪模様の山女魚に会いに

今週の定休日は以前に楽しいサプライズをして頂いたベテラン兄貴様のお薦めしてくれた渓谷へ。店主も十数年ぶりに訪れる場所とのこと。ここには「瓢箪模様」の山女魚が棲むらしく、その渓流によって模様や色が違う山女魚を見るのも楽しみのひとつでもある私は、瓢箪模様の山女魚に出会えるか、期待しながらの出発です。

やはり谷は涼しい

市内は朝から暑さを感じますが、渓谷に入るとひんやり、水の流れる音や樹々に覆われた渓谷はグリーンに照らされ景観が涼しげです。太陽の光が谷間に差し込むと、辺りが明るくなり、渓谷の朝はとても美しい時間。

太陽の光が差し込む渓谷の朝

いつも渓谷にいて、脱渓した後の気温差に驚かされます。遮るものがない時は、渓谷にいても暑さを感じますが、暑ければ水に浸かってクールダウン。渓谷からジリジリとした太陽を見上げていると「地上はもっと暑いんだろうな」と渓谷は贅沢な避暑地のように感じます。

ヒルめ。

場所によっては、ヒルが生息する渓谷がありますが、ここもヒルがいる谷。ふと店主を見ると首元をヒルにやられたようで、血が滲んでおります。いつの間に首元まで、這い上がってきたのか。地面に下ろしたバックパックに付いていて、そこから上がってきたのか。

日の丸のように血が滲んだ首元にどうしても目が行ってしまいます

ヒルは北海道で会ったことはなく、初めて遭遇した時はびっくりしました。ヒルは何度見ても可愛さを感じませんが、私のヒルに対する耐性もだいぶ付いてきました。なにせ、くっついて「わー!」「キャー!」と騒いでも、「自分で取れるよね」的視線を受け(店主から)、「慣れろ」と一蹴される始末。蚊やブヨは刺されると、腫れてたまらなく痒くなりますが、それに比べるとヒルはまだマシ(?)と思おう…、付いたヒルを外す時のあの吸引力、引っ張ってもヌルっと摘めないところが気持ち悪いんです。(先日、渓流の兄貴と歩いて居た時に、ヒルを”フォーセップ (ハサミのような形をした釣り針をはずすツール)”で、ひょいと摘んで取っていたので、それからは私もフォーセップを使って吸い付いたヒルを外しております) 取ってくれる人が居なければ、自分で取るしかないという理由から、慣れっこになってまいりました。

ヒルに負けず、「良型の山女魚に会いたいな」とロッドを振る店主

 

瓢箪ドレスの子

さて、この日の釣果ですが店主が幸先よくスタート。釣り上げた山女魚を見ると、聞いていたようにパーマークが瓢箪模様。”パーマーク”とは、サケ科魚類の幼魚の体にある淡い楕円形の模様のことで、これは成長するにしたがって薄くなっていくようです。地域や個体によって違うらしく、見ていて飽きることがありません。パーマークの形から魚体の色合いなど本当に様々。私は前半は、また「アブラメ」の洗礼をたびたび受けましたが、ようやく瓢箪模様の山女魚を自分のランディングネットに収めることができました。

この日、出会えた瓢箪模様のドレスを着た子

お客様が釣った山女魚。パーマークの大小がはっきりしていて「草間弥生さんの作品みたい!」と盛り上がりました。(花崗岩の広がるとある谷にて)

側線部の紅色が濃い個体。胸びれや尾びれの縁も紅色。

山女魚は淡白でクセがなく、その美味しさから「渓流の女王」と呼ばれているそうですが、私はこの美しさからその名が付いたのだと思っております。気の強そうな顔立ちも気高く気品のある女王のような気がします。店のアウトドアコミュニティで渓流釣りを楽しまれるお客様と同行する際も、やはり釣れた後は「可愛い、綺麗!」としばらく撮影会。女性ウケも非常に良い渓魚です。毎回、このように釣った山女魚を写真に収めておりますが、来シーズンはパーマークにフォーカスして記録していくのも楽しいかなとも思っております。完全に自己満足ですが、こういった楽しみ方が広がるのも自然遊びの魅力のひとつです。

ケムシめ。

渓流沿いにしばらく歩いていくと、前を歩いていた店主が「イタタタタッ!」と悲鳴。岩をよじ登ろうと手を置いた先に毛虫がいたようで、毛虫の毛針が手の平にチクチクと刺さったようです。「この直後に具合が悪くなって動けなくなったらどうしよう!」と一瞬、慌てましたが、常備しているファーストエイドキットにポイズンリムーバーが入っていることを思い出し、こんな時にはポイズンリムーバーをと、急いで刺さった毒毛と毒素を吸引。

ピストンを引き上げて、患部に吸引口を当ててピストンを止まるところまで押し下げ患部を吸い上げます。

60-90秒そのままに。その後ゆっくりとピストンを引き上げます。

仕上げに抗ヒスタミン剤を…と思いましたが、これは私が最近、虫刺されで自宅で使用していたためファーストエイドキットの中に戻しておくのを忘れてしまいました。自然遊びの中では、毒を持った生物との遭遇などリスクもあり、山や谷でケガなどした時に応急処置としてファーストエイドキットの携行は欠かせません。使わないことが一番ですが、定期的に中身の見直しなどしておくことをお勧めいたします。帰宅後、毛虫にポイズンリムーバーは有効だったのか調べてみたところ、毒毛や毒素を吸引するのに有効とのことでした。

ヒルにもケムシにも負けずに前へ進む店主。

自然が豊かだからこそ

【保水力のある豊かな山や森が、枯れることのない水の流れをつくり、山女魚などの渓魚が主食とする昆虫や水生昆虫が豊富な渓流を作り出す】先日、店で行った昆虫セミナーのことを思い出し、こんな生態系ピラミッドを頭に描きながら、渓谷で出会う花や虫たちを見ておりました。自然が豊かだからこそ、生き物も植物も豊富。今シーズン訪れた渓谷に来シーズンも山女魚が安定して棲んでいられますように。

暑い季節恒例の脱渓前にクールダウン。

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Mayuko Takeda

Mayuko Takeda

PORTAL Staff

宮崎県のアウトドア屋「PORTAL」のスタッフです。山歩きを中心に四季折々の山間部の自然遊びを楽しんでおります。店を訪れた方・このサイトを訪れていただいた方に、自然の中での楽しみやワクワクが伝わると嬉しいです。

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