アウトドア屋のライフログ

TROUT FISHING

源流クエスト

今週の店休日は台風通過のため、火曜は渓流釣りにチャレンジのお客様(女性)との釣行は残念ながら延期に。水曜は店主のこれまでの釣行経験や情報網の引き出しをフル回転後、「あの谷なら大丈夫だろう」と見込んだ、私が「黒い谷」と記憶している谷へ向かったのでした。それにしても、店主をはじめ、店を懇意にしてくださる渓流釣りを楽しまれる皆さまは本当に宮崎県内の谷に詳しく、「あの谷は」「その谷は」とそれぞれの谷の特徴などもよく覚えており「この方たちに知らない谷や河川はないんじゃないだろうか」「どれだけの谷を歩いてきたんだろう」と驚きと尊敬の念を抱くばかりです。

黒い谷

宮崎県で渓流釣りを始めて3シーズン目。私も店主やお客さまと一緒にいろんな谷へ行かせていただいておりますが、本流から幾筋にも分かれている支流、なかなか名前を覚えられず「赤い谷」「茶色の谷」と色で記憶している谷がいくつかあります。約1年ぶりの「黒い谷」。この「黒い谷」の雰囲気は独特で、岩は深緑色に苔むしており、谷全体を背の高い樹々が覆い、直射日光は入らず本当に「黒い谷」。車を停めた地点からの気温差は8〜10℃ほど低く、終始レインウェアでの行動で丁度よくひんやりとしていました。薄曇りだったこの日は、入渓直後はしばらく薄暗く毛鉤にティペットを通すのにも一苦労 (私の眼がシニア化しつつあるのも原因のひとつかもしれません)、写真を撮るにしても光の調節やシャッター速度やらに一苦労。

黒い谷に黒い出で立ちの店主(写真ブレ気味で申し訳ございません)

薄暗い谷の中で、いつもよりも少し緊張感のある中スタートです。

渓流クエスト

行きの車中で「黒い谷に棲む岩魚(イワナ)に会えたらいいなぁ」と話していた店主。この日の目的のひとつは源流域に棲む、たくましい岩魚や山女魚に会うこと。余談になりますが、私は複数人で渓流釣りへ行く際や渓流釣りを楽しんでみたいという女性のお客様に渓流釣りの面白さを伝えるときに「クエスト」という言葉が浮かびます。

クエスト(Quest)
1.探索。探求。
2.物語などの冒険の旅。

〜Weblio辞書より

山女魚を探求する冒険の旅。釣り上がっていくたびに景色が変わり、途中に岩をよじ登り、高巻きをしたり、へつったり(へつり=水流のすぐ上の岩場などの岸壁をへばりつくようにして横に進むこと )と、ちょっとしたスリリングな冒険要素がある渓流クエスト。もちろん、安全第一で無理なこと、危険なことはいたしません。一緒に渓流釣りを楽しまれるコミュニティのお客様の中にも、そういった冒険的なことに魅力を感じられている方もいらっしゃるようです。


(Mikiさん、”脱渓”が好きだったとは!)

暗くて判りづらいですが、岩に身を潜め相手(岩魚)の様子を探る黒い出で立ちの店主

渓魚に気付かれないように身を潜め、身を忍ばす姿もクエスト的面白さ。相手も生きることに一生懸命ですもの。
山女魚は身体全体が「耳」と言ってもいいほど、音や振動に敏感と教えてくださったベテランのお客様。その話を今シーズン渓流釣りを始められた方にお話すると「え!?お喋りもしちゃマズイ!?」と心配されておりました笑。「黙りクエスト」ではなくても大丈夫です、ケラケラと行きましょう。

店主の体調の異変 < 源流に棲む渓魚たちへのロマン

薄暗い黒い谷を慎重に遡行していく訳ですが、先を歩く店主の歩調がいつもよりもゆっくり。聞けば、心拍数が高く動悸がするとのことで、「倒れたら、背負って脱渓してね」と…。辺りを見渡すと巨岩もある岩だらけの谷。もし倒れたら、引きずってでも何としてでも、道路に出なくてはと覚悟を決め(?)、「ゆっくり歩けば大丈夫」と、のんびり景色を楽しんだり写真を撮りながらの遡行。そして、山女魚や岩魚が出てくると「すごいな、こんな場所でよく生きているな」と、渓魚たちを愛でる店主。たくましく生きる渓魚たちにパワーを貰っているようでした。

渓魚たちに敬愛を込めて写真に納めリリースします。

このように今回の黒い谷でも、どこまで渓魚が棲んでいるのかを探求しながらのクエスト釣行。(ちなみに釣り上がるたびに出てくる「堰堤」ポイントを私は「第○ステージ終了地点」などと呼んでおります)、第3ステージを終えた地点から「もう、さすがに居ないだろうなぁ」と店主は言いますが、ここにも力強く山女魚や岩魚が棲んでおりました。なんだかロマンを感じます。

黒い谷の中の彩り

当の私の釣果はと言いますと、本日もボウズ。せっかく出てきてくれた渓魚もバラしてしまう始末。ランディングネットの中に山女魚や岩魚を収めた写真を撮ることは出来ずでしたが、久しぶりに訪れた「黒い谷」はやはりカッコよく、荘厳な雰囲気でした。なにせ暗いものですから、写真を撮るのも難しかったのですが、黒い谷で見つけた小さな彩りはそこだけスポットライトが差したように際立って見えます。

黄色が鮮やかなツノマタタケ

山や谷で出会う名も知らぬ植物や昆虫たち。あとから調べる楽しみも「へぇー!そうなんだ!」「この地域だけのものだったのか!」などと、誰かに教える訳ではないですが、ちょっとした自己満足。知識や雑学が広がり面白いのです。

暗がりに浮き立つ山紫陽花

麓に咲くアジサイは見頃を過ぎ、そろそろ褪色してきておりますが涼しい渓谷沿いに咲く山紫陽花は活き活きとしておりました。


残すところあと3ヶ月の渓流釣りシーズンですが、今シーズンも渓谷の美しい景色とともに綺麗な魚たちに出会いたいなぁ…出会うためにはフライフィッシングの腕を磨かないと!と若干焦りも感じている私です笑、とにかく実践、そして楽しむこと。精進いたしますっ。

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Mayuko Takeda

Mayuko Takeda

PORTAL Staff

宮崎県のアウトドア屋「PORTAL」のスタッフです。山歩きを中心に四季折々の山間部の自然遊びを楽しんでおります。店を訪れた方・このサイトを訪れていただいた方に、自然の中での楽しみやワクワクが伝わると嬉しいです。

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