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登り納めのお供へ高千穂峰 -山の中で思うこと-

先週の定休日は、店でもフライフィッシング でも大変お世話になっている、日本フライフィッシング 協会理事さまの今年の登り納めに高千穂峰(高千穂河原コース)をお供させていただきました。11月に一緒に歩かせていただいた韓国岳の時のように、”晴れ男っぷり” はお見事で、冬の綺麗な青空が広がる”登り納め”に相応しい日となりました。今回は山の中で私が思うことの一部も絡めて書こうと思います。

ウェーディングブーツからトレッキングブーツへ @韓国岳

僭越ながら…

はじめに、僭越ながらではございますが。先月の韓国岳から山歩きを四十数年ぶりに再開されたという、理事さまに感服しております。登山を再開された11月中旬からこの日までの約1ヶ月半の間に、お一人でも近隣の山へ足を運ばれており、寒波の入った後の雪がうっすらと残る山の景色を楽しまれたり、ちょっとしたロングコースに挑戦されたりと(強風により途中で引き返されたとのことですが、英断でございます。)とても積極的に山歩きを楽しまれております。

道具もウェアも使ってくださって、山へ行ったお話を店でしてくださると私たちは嬉しい限り。(私は心の中で小さくガッツポーズ。きっと、店主もしているはずです笑)渓流釣りの期間、休日は足繁く渓流へ入り、フライフィッシングをライフワークとされておりますが、禁漁期間に山歩きが習慣化され、今年の山歩き再開は「春夏秋→谷歩き / 冬→尾根歩き」 というサイクルが始まった”元年”にお供することができて、ありがたく思います。

ところどころ凍結していた石畳の階段からスタート。(私の中で、ここが一番の核心部のヒヤヒヤゾーンでした)

始めるきっかけは十人十色

山歩きを始めるきっかけ。「家族・友人に誘われて」「面白そうだから」「ふと山に登りたいなと思って」「なんだかカッコいいから」「体力づくりに」「ダイエットになるかな?」」「数年ぶりに再開を」と、始めるきっかけは人それぞれです。そのきっかけといつどこで出会うのかにも面白さを感じます。

店に来てくださるお客様の中には、最初はコツコツとソロキャンプの道具を買い揃えキャンプを楽しまれていた方が、店のWEBサイトを見てくださったり、購入して頂いた道具やウェアを見て、「この道具で山にも行けますよ!」と私たちがしきりに言うものですから笑、「山歩きも始めてみました!」と、今では見事に山歩きに魅了されて居る方もいらっしゃいます。

歩きづらいザレ場を歩く

理事さまの”きっかけ”のひとつは、少し体力の要る渓谷に入り、そこに居る山女魚に出会うこと。来年の渓流シーズンは、目指す「あの谷」にご一緒出来る日を楽しみにしております。皆さまの山歩きを始めた”きっかけ”は何ですか? 始めたきっかけにPORTALが少しでもお手伝い出来て居たら嬉しいです。

小春日和のレイヤリング

それにしても快晴で穏やかなお天気。天気予報をチェックし、山の上は冷たい風が吹いているだろうなと想定しておりましたが、予想外に気温が高く風もなく。汗をかかずに….と歩いておりましたが、メリノウールのベースレイヤーに薄いフリースのミドルレイヤー、そして冬にいつも活躍中のアクティブインサレーションをアウターに。この日の私のレイヤリングはちょっと失敗。汗をかき過ぎております。汗冷え大敵! 御鉢が見えてきたところで小休憩をし、そこでミドルレイヤーを脱ぐことにいたしました。

御鉢。ここに雪がどっかり積もったらスノーボードで滑りたいと妄想しながらいつも、覗き込みます。

渓流釣りでも使っているバックパック。冬の山歩きにも重宝しています。

前回の韓国岳と同様に、本日も快晴に恵まれ、晴れ男全開の理事さま。同行させて頂いている私も、今まで登った高千穂峰の中で一番の快晴かもしれません。空気が乾燥している冬の青空は遠くまで澄み渡っていて、見渡すことが出来て本当に清々しく気持ちが良いです。

ビカビカの晴れ。馬の背を降り、鞍部へ。

霧島神宮元宮。山頂までひと踏ん張り。

山を歩きながらこんなことも考える

四十数年ぶりに山歩きを再開されたと言っても、学生時代にかけては山岳部で山を楽しまれていた理事さま。「昔は重たいキスリング*を担いでね(キスリング*=帆布製で横長の四角い大型ザック)」とか「今のウールは着心地が良いね」「ガスバーナーも随分と軽く小さくなったね」「ニッカボッカ*(=長さが膝下までですそがくくられた短ズボン。)を履いて山を歩いたよ」など、道中での「昔使っていた道具」のお話を聞くのが面白く、どのアクティビティにも言えますが、道具やウェアの進化はすごいなと感じます。

青空の元、登頂。「気づけば頭から爪先まで、全部PORTALで揃えた物だよ!」と笑ってらっしゃいました。


山歩きを始めた頃に夢中で読んでいたのが、植村直己さんの冒険記や、新田次郎さんの「孤高の人」「剣岳-点の記」「八甲田山死の彷徨」「銀嶺の人」など、昭和初期の頃を舞台にした山岳小説。「孤高の人」に出てくる加藤文太郎さんは北アルプスの冬季登山を中心に活躍した登山家です。加藤文太郎さんが生きていた時代には、軽量な道具もGORE-TEXなんて素材もありません。

上に挙げた新田次郎さんの作品たちは、どれも厳冬期を背景に過酷な自然の様子などが描写されています。読んでいるだけで寒さを感じるほどです。今の時代の何倍の重さの荷物を背負っていたのでしょう。作品に登場する人物たちが、今の時代に生き、軽量化された装備を纏ったら、ものすごい速さで歩けるのでは?…なんてことを考えてみたりします。

テントにバーナーに雨具に衣類。道具が軽量化され、より耐久性・堅牢性を持ち、身に着ける衣服も人体工学に基づいて開発されたりと、道具の進化や技術開発は目覚しく、快適にアクティビティを楽しむことができます。(道具に頼るだけではなく、知識やスキルも上げないといけませんが)

PORTALでも取り扱いさせていただいている宮崎県山岳連盟会長、そして山の大先輩である松崎さんの著書「私の山幸人生」にも、沢山の写真が掲載されており、その時代の服装や道具などを見るのも興味深いです。

【書籍】私の山幸人生 著者:松﨑保忠

こんなふうに、道具の進化や知恵に絡めて昭和初期の頃の登山家たちのことを思ったり、県北の山を歩けば、延岡市辺りから400kmもの距離がある故郷の鹿児島までの「西郷隆盛の敗走路」の一部、日之影町の山中などで「西郷隆盛宿営の地」と書かれた標柱などを見かけると、「この沢で水浴びしたかな?」「猪を食糧にしたのかな?」「暑かっただろうな」「歩き辛かっただろうな」と、本当に拙いことばかりですが、西郷さんたちのことを考えてみたりします。

そして日本で初の新婚旅行をしたと言われる龍馬さん。霧島を湯治も兼ねて訪れ、お竜さんと一緒に高千穂峰に登ったと言われています。なので、ここ高千穂峰を歩いていると龍馬さんのことを思ったりします笑 (「龍馬さんはブーツ?お竜さんはわらじ?」「火山の影響で今とその頃は景色が随分違っただろうな」などなど)

達成感と次の目標と

以前、お一人で御池コースから高千穂峰へとチャレンジされた理事さま。御池からのコースは、今回の高千穂河原からのコースよりも2倍ちかく距離を長く歩きます。二子岩が見えてきた頃に、風が強くなり引き返されたそうです。「今度はこっち側からのロングコースも歩けるようにしないとな」と意気揚々と二子岩の方を眺めておられました。次の新しい目標が決まったようです!

猫の耳のような二子岩。今度はあちら側から高千穂峰を目指しましょう。


太陽がポカポカと気持ちがよく、山頂でゆっくりと休憩を取り、360°のパノラマを楽しんで下山。

登頂おめでとうございます。理事さまと店主。


達成感と共に、次の新たな目標。毎度、呟くような気がしますが「あー、これだから山は楽しいな。やめられないな。」と感じます。

なぜ山に登るのかの答え

以前、店主が店のWEBサイトのコンテンツを作成するにあたり、「なぜ山に登るのか」と話していたことがあります。

OUTDOOR & FITNESS

 

私もフィットネス要素+付加価値を楽しんでいる気がします。「山へ行く=フィットネスへ行こう」と考えて出かける訳ではありませんが、最初はグリーンシーズンの山を中心に楽しみ、バックカントリーを始めてからは、オフシーズンに体力を落とさないトレーニングとして、グリーンシーズンの山を楽しむ。そんなふうに過ごしてきました。自分の足で歩いて見える景色や感じる空気が好きです。季節ごとに変わる風景や鳥の囀り、高山植物や山野草。この季節にはあの山が綺麗、などお気に入りの山が出てきたり。それと、ちょっとした「達成感」が気持ちが良いです。この距離を歩ける体力が付いたら、次はあの山へと行きたい山が増えました。

下山時は空の色が一層蒼くなり、素晴らしい景色に一人興奮していました笑


ずらずらっと、なぜ山に登るのかを書いてみましたが…

正直に白状すると、こう書いている今も「なぜ山に登るのか」の答えが明確に一言で表せません。キツイ山ばかりを歩いていた訳ではありませんが、「なんでこんなキツイことしているんだろ?」と思いながら登っていることもあります。登山もロッククライミングも、バックカントリースキー(山スキー)も、山歩きをしない方々から見れば、「わざわざ大変な思いをして楽しいの?」「リフトやロープウェイで上がれるのに、なぜわざわざ歩いて登っていくの?」と言われます。

でも、また登りたいと思う魅力が私の中に存在します。「よく歩いたわ!」と、自分を褒めてあげたい気持ちや達成感が気持ち良いのでしょうか。山歩きをされない方がテーマパークや旅行、フィットネスクラブへ行く感覚とそんなに変わりはありません。身近に山があり、歩いたり滑ったりと、そんな環境で生活をしていたので、「一大イベント感」もさほどなく。(ちょっとした遠征の時はイベント感が出ます笑) はっきりと「なぜ山に登るのか」の答えが出たら、またお知らせいたします…果たして答えは出るのでしょうか。笑

お供させていただき、ありがとうございました。


-山の中で思うこと-
その日によって、本当に様々です。「無」になっていることもあれば、仕事のこと・家族や友人のこと・たわいのないこと・昔登った山のことを思い出したりもあれば、「今、ここでこんな状況に(アクシデント)なったらどうするか」を考えていることもあります。山歩きと言うと、なにかと「キツイ」「疲れる」というイメージが付きがちですが、森林歩きも、低山ハイキングでも、自然の中に出かけると図らずとも、素敵な付加価値が見出せる気がします。目標が出来上がれば、自分の体調管理や健康にも自然と気を配ることも出来ます。様々な山歩きの楽しみ方を、これから始めたいと思っているお客様の入り口となりますように精進してまいります。

今回の定休日は理事さまの快晴の登り納めに同行させていただき、私も楽しませていただいた休日。ありがとうございました!

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Mayuko Takeda

Mayuko Takeda

PORTAL Staff

宮崎県のアウトドア屋「PORTAL」のスタッフです。山歩きを中心に四季折々の山間部の自然遊びを楽しんでおります。店を訪れた方・このサイトを訪れていただいた方に、自然の中での楽しみやワクワクが伝わると嬉しいです。

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